フォースタを通じてかけがえのない人材がジョイン。良き緊張感を持ちながら一緒に会社を創るパートナー

2021-09-29
Executive Interview
フォースタを通じてかけがえのない人材がジョイン。良き緊張感を持ちながら一緒に会社を創るパートナー


社内カンパニーを経て、2016年9月に創業したフォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)。これまでスタートアップへの累計人材支援数1,642名のうち、約32%がハイレイヤー、幹部クラスの人材を紹介することで、日本の再成長を担う成長産業を支援してきました。入社後、キーマンとなった彼らが活躍し、爆発的な成長を成し遂げたチームは少なくありません。創業から5年経った現在、そのように支援した数々のチームが上場企業やユニコーン企業になっています。

今回、紹介するのはその一つ、「幸せを築く人を、幸せに。」をミッションに、建設・建築業界において現場の効率化から経営改善まで一元管理できるサービス『ANDPAD』を展開する株式会社アンドパッドです。『ANDPAD』はその機能性や使いやすさから急激に普及。今後は業界の様々な課題を解決する新たなプロダクトを続々と立ち上げていくフェーズにあります。

代表取締役の稲田武夫氏と弊社執行役員の六丸直樹の2人が、これまでの歩みとこれからについて語り合いました。


常識にとらわれないやりきり力。トータル130人超の採用を支援

支援がスタートしたのはいつ頃でしょうか。

六丸:本格的にタッグを組んだのは2019年3月です。当社の勉強会で、稲田さんや堀井さん(COOの堀井浩平氏)がオフィスに来てくれたのが最初でした。

稲田:その前からつながりはあったのですが、シリーズBでグロービス(グロービス・キャピタル・パートナーズ)の出資を受けたことをきっかけに、改めて引き合わせてもらいました。他社さんの成長に対して圧倒的なやりきり力を発揮していると聞いていたので、紹介してもらいました。その前は、あまり相手にされなかったというか(笑)。

六丸:いや、当時は我々もあまり組織だった動きができていなかったんです。弊社もちょうど、社として注力する会社を決めてしっかり支援していこうというタイミングだったんです。そこで、グロービスを通じてお引き合わせいただいて。

フォースタの第一印象はいかがでしたか。

稲田:勉強会で訪ねたときは、ほかのエージェントにはない、本当にスタートアップを応援する若者たちという印象が強かったです。みんながワーッと仕事をしていて、企業側に「とりあえずプレゼンしてください」と依頼するスタイルにも興味が湧きました。フォースタさん自体に凄くスタートアップ感がありました。

フォースタさんは、ヒューマンキャピタリスト自身が支援したい会社を見つけて、きっちり支援するというVC的な動きをしますよね。なので、僕は1人でもいいからそのようなファンになってくれるヒューマンキャピタリストを探そうと、お付き合いの仕方を模索していましたね。

六丸:ありがとうございます。勉強会の前は、社内で正しく御社の情報が伝わっていなかったんです。建設領域のSaaSで社長さんはリクルート出身で、とその程度。

僕自身も勉強会で初めて「なぜ、あえてその業界を選択したか」「その先にどのような世界を創っていきたいのか」といったことを知って、「素晴らしい。これは支援しなければ」と思いました。稲田さんが、点で何かをしようとしているのではなく、広く社会を良くするためには何をしなければいけないのかと強く思っていることがわかりました。

ロジックよりパッションを強く感じて、勉強会をきっかけに個人としても完全にギアが入りました。

稲田さんがフォースタを信頼できると感じたポイントはどこでしょう。

稲田:勉強会のときはシリーズBで、20億円ほど調達したところでした。どのスタートアップもそうですが、そのタイミングはいちばん採用しやすい。そこでどれだけブーストをかけられるかがポイントで、いろいろと考えるなかで、たくさんのエージェントと広くいろいろと取り組んでも、短期的結果は出にくいのではと思っていました。

ちょうどそのタイミングで、フォースタさんより、弊社専用のチームを組んでくれる提案を頂きました。そのサービス(※リテーナーサービス)をご提供頂いて、そこから今日までにトータル130人超のご支援をいただいています。

※リテーナーサービスとは、必要な人材を紹介するだけではなく、採用を強化したい企業を対象に一定期間コミットし、コンサルティング、採用活動支援、人材の紹介、組織づくりなど戦略から採用活動全般、組織づくりまでを一気通貫で支援するサービス

SaaSビジネスはスキーム上、年間計画に対して初月でズレると、その後、ずっとズレ続けてしまいます。リカバリーしにくいビジネスで、となるとカスタマーサクセスの人数やインサイドセールスの人数など、採用計画とグロースレートがかなり相関するんです。加えて、規模が大きくなるとともにエンジニア組織も成熟していかないと課題が累積する。なので、できるだけ早い段階でいい人材を一気に採用して、業績やプロダクトに向き合える体制をつくる必要がありました。

という背景があったので、フォースタさんに「だったら、この数カ月で結果を出しましょうよ」と言っていただけたことが、信頼という点ではいちばん大きかったと思います。

稲田:SaaSを伸ばす上で必要なポジション、人数は見えていたので、それをどうやって採用するかという点を、弊社堀井(COO 堀井浩平氏)とフォースタの恒田さん(常務取締役 恒田有希子)で議論していました。恒田さんと六丸さんの組み合わせはいいですね。恒田さんがゴリッと決めて、六丸さんは経営者と向き合う経験が豊富なので、僕もいろいろと意見を聞けて助かっていました。短期で、スピード感を持って一緒に戦ってくれたことがよかった。フォースタさん以外には、そのような会社はありませんでした。

六丸:そうですね。僕自身はHR業界の経験が長いので、恒田の営業スタイルとは全く違いますが、そこがよかったのだと思います。弊社はHR出身者が少ないからこそ、マーケットと向き合うとき、HR業界の固定概念にとらわれず「どのような体制や関係性をつくれば実現に近づくか」と純粋に考え、本質と向きあうことができます。結果、そのやり方が合っていた。本質と向き合い、目的のために何をすべきかと考えて行動したからできたことでした。

フォースタは一緒に会社をつくるパートナー。忌憚ない意見がありがたい

稲田:課題はエンジニア採用で、今も模索中です。

フォースタさんとは勉強会の前から食事会をセッティングしてもらっていて、そこでエンジニアチーム(EPチーム)のヒューマンキャピタリストの皆さんが、いろいろなスタートアップを知っている立場からアドバイスをくれていました。「アンドパッドは、今のままではエンジニアは来ないですよね」とか、忌憚なく意見を聞けることがありがたかったです。

実際、最初の頃は、エンジニアの方を何とかアンドパッドにつなごうと苦労されたと思います。きっと恒田さんや六丸さんの計らいもあって何とかご紹介いただいて、結果、エンジニア採用自体が回るようになりました。

六丸:私たちはSTARTUP DB(スタートアップデータベース)を元に、マーケットで支援すべきチームに最適な方を集中的にアサインしていきます。エンジニアについては他職種と比較してもより売手市場であり個人の意向を汲んでいくことは重要。とはいえ希望を考慮しつつも、私たちが支援し、勝たせたいチームにジョインしてほしいので、アンドパッドさんに対してもエンジニア目線でアドバイスさせて頂いたのだと思います。

稲田:それは、とてもいいと思います。働く環境やチームを第一に考えるエンジニアの方もいらっしゃって当然です。当時は、アンドパッドにジョインしたいと思わせる強みが言語化できていなかったので、そこを率直に「これでは紹介しにくいですよ」とか、「多分、みんなこう思っていますよ」と正直に教えていただいたことは、とても助かりました。他社はこんなイベントをやっているとか、よくお聞きしましたね。

僕も人事の経験があって、2000年前半のことですが、当時はエージェントとの関係性は、受動的だったと思います。ところがフォースタさんと関わり始めた当初、「いろいろなヒューマンキャピタリストがいるので、御社のファンになってもらえるように頑張ってください」と言われたんですね。つまり「御社のファンを増やす活動を一緒にやってもらえれば、御社の支援がより進みますよ」ということ。

聞いて「なるほど」と思いました。要は、今は優秀な人材をベンチャー側は選べない。会社が選ばれるには、エージェントにも支援したいと思われる会社にならなければならない。昔の感覚は忘れて、どれだけ採用に向けた企業努力をできるかが問われている。

当時、堀井とは「エージェントさんに、より深くアンドパットを知ってもらって、一緒に会社をつくっていくパートナーの関係性をつくる必要があるんだね」と話していました。そのような関係は、多くの会社とは保持できません。なので、フォースタさんに、本当に一緒に会社をつくるところまで踏み込んでもらおうと決めました。だから組織図も全部お伝えしたし、現場では、一緒に採りたい人材像について何度もディスカッションしました。

フォースタを通じて多数のかけがえのない人材がジョイン


ハイレイヤー人材の採用についてもお聞かせください。

稲田:今、ウチの執行クラスで、いなかったら会社が回らないという人材の半分以上は、フォースタさんからご紹介いただいています。その1人目がVPoCの金子(金子洋一郎氏)。コーポレートの部長で経営企画のトップですが、前職は別のベンチャーのCFOでした。当時は会社のコーポレート機能が脆弱で、そこを一気につくりあげてくれました。やはりコーポレートがちゃんとしていないと人を雇えません。今もかけがえのない人材で、金子にあのとき、シリーズB後のグロースする段階で入ってもらっていなかったらと思うとゾっとします。そのような人材は、ほかにもたくさんいます。

六丸:当時は、堀井さんが営業をやりつつ、バックオフィスもすべてやっていましたよね。とても忙しくて、そこを任せられる人がいないとビジネスを伸ばすことができないと聞いていました。

金子さんにお会いしたときは会社全体の話とともに、そのポジションが個人のキャリアとしても非常にチャンスだ、という話をしました。結局、どれだけやれる幅が広がって、経験を積めたとしても、個人としては満足かもしれませんが、いわゆる市場価値としてはそれほどでもない―となってしまいます。所属するチームを使ってレバレッジを利かせることが、結果、社会のためになるし、個人にも返ってくる。金子さんにはそのように言いました。

金子さんも、もちろん他社とも迷われましたが、最後は、自分のケーパビリティがいちばん活かせて、事業がもっとも伸びそうな場所ということで、アンドパッドを選ばれました。

稲田:本当にありがたかったです。野武士集団のようなチームで成長してきて、組織をマネジメントする人材が足りませんでした。そこに、きちんとマネジメントができてベンチャースピリットもある金子が来てくれた。このような人は少ないんです。しかもアンラーニングもできる人となると、本当に出会えません。何人もご紹介いただき、何人も「ごめんなさい」をさせてもらっているなかで、御社からは執行クラスを4、5人採用させていただいています。皆さん、今の組織のマネジメントの中核を担うメンバーになっています。

CXOクラスは特に難しいですね。採用にあたって重視したポイントなどは。

稲田:まずは、我々がやっている事業に興味があることが大事ですが、もう一つはベンチャーの働き方が本当にできるのか、という点です。シリーズBからCは、社内コミュニケーションや調整業務が増えがちですが、そこを、ガチガチなオペレーションにせず、しなやかに成長できながら、でもマネジメントとしては従業員が働きやすい環境をつくる。そのようなバランス感覚があるマネージャーを求めていました。

これが難しくて。ほかのベンチャーでご活躍中で、でもいろいろな事情で新しい活躍の場を求めている方などをイメージしていました。その点、フォースタさんは幅広くて、そのような方を知っているし、見つけてくるし、意外と大企業にいる方などまた違う角度からご紹介してくれたこともありました。

六丸:顕在ニーズに合致する方ばかりではなく、潜在的なニーズのありそうな方も積極的にご紹介させて頂いています。

稲田:そうやってタッグを組めるかが大事ですよね。エージェントとスタートアップの付き合いは。スタートアップはそんなに整っていないし、自社の魅力も言語化できていません。エージェントとの対話のなかで徐々に磨きますし、求人票の完成度も上がっていきます。話し合うなかで言語の引き出しをもらって、チューニングして。フォースタさんとは、本当にタッグを組んで採用活動ができたという印象があります。

新規事業創造のフェーズへ。次世代経営人材と若手人材の採用が鍵

今後の展望と採用のポイントなどをお聞かせください。


稲田:
我々が目指す世界は、「幸せを築く人を、幸せに。」というミッションの通りで、建築産業の人をいかに幸せにできるか。そこは何も変わっていません。常にそこからバックキャストして、「この時期までにこれくらいの成果を出したいよね」と、10年後くらいを見据えて経営陣は議論をしています。それを踏まえて一緒に経営できるメンバーを探していますし、同時に、今の若手が育って数年後に執行役員になっているような機会を、いかに提供できるかと考えています。

なので、これからの採用の観点としては、バックキャストしたときに何が事業として重要になってくるか。『ANDPAD』自体も当然拡大しますが、その上にどのような新規事業をつくっていけるかが重要で、そこが採用の観点にもなると考えています。

『ANDPAD』は建設セクターにグッと入り込んでいるサービスで、入り込むほどに様々な業界の非効率が見えてきます。そうすると、事業運営において事業開発の比率が高くなるんです。となると、事業家や経営者のようなタレントの数が我々の会社の成長角度を決めるので、「事業を生み出す人」がまず採用の中心にあります。もう私や荻野(CFOの荻野泰弘氏)だけでは、到底解決できる課題数ではない。

もう一つは若手ですね。これから我々は、事業も会社も成長するので、若手の人にとっては、すごく成長できる環境があります。数年で部長になり、数年で事業PLを1つ持てるような機会をいかに増やしていくかと考えています。

エンジニアは、今までは製品開発のフェーズだったので、アプリケーションエンジニアが多かったのですが、最近は機械学習のエンジニアも増えてきています。『ANDPAD』のデータをいよいよ活用できる段階に来ているので、そのようなエンジニアも引き続き求めています。

TVCMの影響もあり、『ANDPAD』の知名度が上がっています。採用上の環境変化などは感じていますか。

六丸:転職市場における認知度は、圧倒的に高まりました。話をすれば、「ああ、CMで見ています」と言われます。一方で、資金調達が進んで人数も増え、CMもやっていて、「大きい会社ですよね」というイメージ先行も感じます。それがよく働くケースもあれば逆もあって、「ポストがもう埋まっている」「組織としてできあがっている」という先入観を持っている人もいるので、それは覆さないといけませんね。

稲田:そうなんです。今、僕らは450人ほどの会社になり、なかにはベンチャーというイメージを持たない方もいます。とても中途半端なポジショニングになっているので、採用ブランドの再構築をぜひ一緒にやりたいです。ベンチャーもステージによって支援のあり方が変わると思うので、フォースタさんにはそこを期待したい。

言っても日本中の法人からすると我々なんて小さい、一中小企業です。さらに非連続な成長をするには、もっともっと経営を担える人材と若手の方にお越しいただきたいです。そのような方々と切実に出会いたい。今のステージからもう一段上に行くために必要な経営人材とは、というテーマでぜひディスカッションしたいです。

六丸:そうですね。その通りです。ステージによって必要な経営人材は違うと思います。今は、稲田さんにとって次世代経営幹部が重要になっていますが、そもそも当初はそうではなかった。「今すぐ経営をサポートできる人」という段階から、そのラインが一定そろって、もっと先を見据えた人材を必要とするようになりました。事業がそれだけ成長しているということだと実感しています。

では改めて、これから入る人に向けて御社の事業の魅力を教えてください。

稲田:魅力は、先ほども申し上げた通り、我々は産業を固定してSaaSをやっているので、事業を創るチャンスが多いこと。IT業界にいたら絶対にわからない様々な課題があり、でもアンドパッドの開発チームやカスタマーサクセスの仲間がいれば、それらを解決できる。ビジネスリーダーになりたい人にとってはとても楽しいと思います。

エンジニアも、これからさらに深さや広がりが出てきます。今、ベトナムに開発拠点をつくっていて、インドでも採用をスタートしています。開発組織はグローバルになり、一気に専門性の高い技術スタックに分かれていくタイミングにあります。これまではRailsで1つのアプリケーションをちゃんと作ってきた会社でしたが、今はもう様々なアプリケーションに広がり、議論すべき課題も多様化しています。取り組みがいのある様々な課題、スケールするプロダクトの技術開発の楽しさ、加えて開発チーム自体もグローバル化し、ますます様々な変化を楽しめる環境になってくるでしょう。

『ANDPAD』は、今は約26万人の建設業の就労者のスマホにアプリとして入っています。建設・建築は歴史の長い産業なのでリテラシーが課題だと、もう10年くらい言われ続けているのですが、そんなことはありません。例えば『ANDPAD』内で何か新機能を公開すれば、利用度がグッと上がるので、ユーザーが新機能を積極的に活用しようとしているのがわかります。プロダクトがお客様の価値になれば、ちゃんと使ってもらえるのだと実感しています。

会社の成長に伴い新たな採用上の課題も。末長いパートナーシップを期待

最後にフォースタへの期待やメッセージなどもお願いします。

稲田:本当に、ベンチャースピリットのある人を採りたいんですよね。問題は、そのような人がアンドパッドと接点をまったく持たずにより初期フェーズのスタートアップに行ってしまうこと。それが、会社が大きくなるとさらに加速してしまうのではと危機感を持っています。

フォースタの皆さんは、企業サイドと求職者サイドの両方で、もっともベンチャーとの接点が多いと思うんです。常にマーケットの変化を感じられると思うので、これからもその機微を教えてもらうことをいちばん期待しています。SaaSのムーブメントがあり、我々のやっていることが徐々に社会に伝わるにつれ、採用しやすくなった反面、採用したい人と接点を持てなくなっている。この接点量を最大化したいですね。

稲田:会って最初に、「エージェントをファンにさせるのはCEO次第です」と遠慮なく言っていただけたのは、本当にフォースタさんらしくて良かったと思っています。また、それは関係性に一定の緊張感があるという点でいいことだと捉えています。僕らも会社をよく知ってもらうための努力をするし、一方で御社には求職者の思いにも寄り添いながら、企業側に対しても局面を変える人材採用に貢献していただきたいと思っています。選ばれ合うという一定の緊張感を持ちながら、長きにわたってご支援いただいているという感覚がありますね。

六丸:ありがとうございます。ぜひこれからも、パートナーとして歩んでいければと思っています。よろしくお願いします。

取材のご協力:株式会社アンドパッド
https://andpad.co.jp/
アンドパッドのCM
https://www.youtube.com/channel/UCGymYatxaspi6-ZOKThkjeg

インタビュー/撮影:山田雅子・塩川雅也

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