Message
「自分はどう生きるのか?」
- 自ら問いを立て、その問いに向き合うことで、人生が変わる。
「誕生から死まで、日曜から土曜まで、朝から晩まで、全ての活動が型にはめられ、あらかじめ決められている。このように型にはまった活動の網に捕われた人間が、自分が人間であること、唯一無二の個人であること、たった一度だけ生きるチャンスをあたえられたということ、希望もあれば失望もあり、悲しみや恐れ、愛への憧れや、無と孤立の恐怖もあること、を忘れずにいられるだろうか。」(エーリッヒ・フロム『愛するということ』より引用)
私たちは自分らしく生きようと思いつつ、知らず知らずのうちに誰かが決めた基準の中で良し悪しの判断をしているのかもしれません。顔が見える相手ならまだしも、見たこともない人や世間体といった概念に自分の決断を委ねてしまうことさえあります。かくいう私も2016年にフォースタートアップスへ入社した当時は自分に自信がなく、周りの人の意見を参考にするというよりは鵜呑みにしていました。
そんな中、強い意志のもとで起業家がスタートアップを立ち上げ、そこに仲間が集い、多くの人が挑戦し未来を切り拓くことで社会が変わる瞬間に多く立ち会ってきました。そして、様々な支援を通じて私自身も自らの可能性を信じ、自分の人生の生き方を強く意識するようになりました。
モノが溢れ、情報が溢れ、さまざまな価値観にいつでも簡単にアクセスできるようになった今、誰かが決めた枠組みの中で上下優劣を判断するのではなく、自分自身で価値の基準を設定する必要があります。誰かと比較して幸せを判断するのではなく、自分自身で何が幸せかを考える必要があると思います。
この探求と思索の中で、私の視界を大きく広げるきっかけとなったのが『会社という迷宮』(石井 光太郎 著)と題された一冊の書籍でした。本書では、価値とは"主観であり、世の中に対して自分の信じる価値を問うこと"の重要性が述べられています。また、「市場」とは経済学的な「しじょう」を意味するよりも前に「いちば」の存在があり、「お互いを発見し、出会いにいく場所」であると記されていました。市場とは、様々なものが交換される場所であるだけでなく、本来は人々が同じ場所に集まることで新たな価値に気づき、そこから新しい価値創造の連鎖が市場(しじょう)として生まれてくる機会であり、場であるのだと思います。
私はプリンシパルとして、さまざまな人が行き交う場所に身を置くだけでなく、社会のために、そしてこれからの時代を創る起業家やスタートアップスのために、新しい市場そのものを創り、その市場の価値を認めてもらうよう取り組みます。さらに、市場を通して「ヒューマンキャピタリスト」という職業をより多くの人に認知いただき、スタートアップへの挑戦の連鎖を創出してまいります。