IPOはスタートライン。世界を目指して伴走 映像から生まれる素晴らしい未来。共に進化の中心へ

2023-03-30
Executive Interview
IPOはスタートライン。世界を目指して伴走 映像から生まれる素晴らしい未来。共に進化の中心へ

社内カンパニーを経て、2016年9月に創業したフォースタートアップス株式会社(以下、フォースタ)。これまでスタートアップ各社に200人を超えるCxOをはじめあまたの人材を紹介することで、日本の再成長を担う成長産業を支援してきました。入社後、キーマンとなった彼らが活躍し、爆発的な成長を成し遂げたチームは少なくありません。

今回は、やや異色な伴走ストーリー。「映像から未来をつくる」をビジョンに、クラウドカメラと映像プラットフォームを提供するセーフィー株式会社です。同社は、2021年9月にIPOを実施。その新たな成長軌道を目指すタイミングで、フォースタとの取り組みも加速し始めました。映像、クラウド、AI技術を駆使し、人々に物理的な制約を受けない「第3の眼」を提供し、日々の意思決定に資することを目指す同社にとって、IPOは新たな挑戦のスタートラインに過ぎません。この技術と大きな構想を世界へ。「第3の眼」から生まれる未来を実現するために、共創する両社の歩みを紹介します。

セーフィー株式会社

代表取締役社長CEO

佐渡島 隆平 氏

取締役 経営管理本部本部長 兼 CFO

古田 哲晴 氏

フォースタートアップ株式会社

代表取締役社長

志水 雄一郎

シニアヒューマンキャピタリスト / マネージャー

山下 太地

一人のヒューマンキャピタリストの熱意から始まった共創

▲セーフィー株式会社 代表取締役社長CEO佐渡島 隆平 氏

—— 両社の取り組みが加速したのは2021年9月。セーフィー様による社内向けの勉強会がきっかけです。シードから伴走するスタイルとは異なりますが、どのような経緯だったのでしょうか。

志水:フォースタートアップスが支援する会社様は、通常、VCからの依頼をきっかけに、VC、起業家、我々の三位一体の歩みが始まります。が、セーフィー様は違いました。セーフィー様は、上場後の事業戦略を見据えて、CVCや大企業を中核とした株主構成でIPOを迎えています。当初は、ほかの企業とは違うスタイルであることを、我々がそれをきちんと理解していなかったので、なかなかつながりませんでした。

セーフィー様との取り組みが加速するきっかけは、清水美保という1人のヒューマンキャピタリストの存在です。彼女はとても情熱的でホスピタリティがあり、かつ自分自身の判断軸でお客様の魅力を見出し、お客様のために何とかしようと努力します。セーフィー様とも、清水がずっとコミュニケーションを継続していました。当社との関係を深めるために、佐渡島さんとは一度、食事にも行きましたね。彼女がそのような場もプロデュースしていました。

佐渡島:そんな経緯があったのですね。清水さんは熱くて、何かイベントがあるといつもご案内をいただいていました。ただ、いろいろな会社さんがあるなかで、我々もどことお付き合いするのが正解なのかわからなくて、フォースタさんとも当初は距離感がつかめないでいました。

きっかけの一つが、アンドパッドさんの記事です。代表の稲田さん(代表取締役の稲田武夫氏)から、フォースタさんは一緒になって夢を実現していく人材を獲得できる会社さんだと聞きました。我々も、いちばん大事にしていることは仲間づくりなので、フォースタさんに一緒にやってもらえるようなアピールをしなければいけないと考えるようになりました。そのようななかで、清水さんのお誘いでイベントにも出させてもらうなどし、2021年9月にフォースタで勉強会をする機会をいただいたという流れです。

—— セーフィー様の勉強会はいかがでしたか。

山下:衝撃でした。それまでは、クラウドカメラというプロダクトは認知していたのですが、その事業の素晴らしさや、どれだけ勢いがあるのかはわかっていませんでした。勉強会の場で、クラウドカメラはあくまでも手段であり、その先がある。重要なのはカメラがもたらすデータであり、そのデータやアプリケーションを使って「社会の眼」になっていくのだという話を聞いて、自分の中で大きくアップデートされました。

我々が目で見て判断していることをデジタルで代替する。人間には持ち得ない多数の目で、さらに機械学習などの技術も駆使して様々なことができる。その世界観に触れたとき、本当にワクワクしました。ほぼゼロから市場を立ち上げて、既にシェアは50%以上。しかも、これからもっと伸びる。勢いも感じました。

その成長に伴走したいと強く思ったのですが、一方で課題も感じました。それは、当社にはいろいろなスタートアップの情報が集まってくるはずなのに、よく理解できていなかったこと。まだまだセーフィー様の魅力を知らない人がたくさんいることが、非常にもったいないと思ったのです。

マネジメント層不足が喫緊の課題。将来を見据えた人材の提案も

▲フォースタートアップ株式会社 シニアヒューマンキャピタリスト / マネージャー山下 太地

—— 当時、組織としてはどのような課題をお持ちでしたか。また、それに対してフォースタは、どのようなアクションをしたのでしょうか。

佐渡島:当時は、コロナ禍で出した新しいプロダクト、『Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)』が非常に好調で、会社の業績が伸びていました。2019年から2021年の2年間でARRが4倍以上になったほど。結果的に、当社にとってコロナは追い風で、まさに我々のプロダクトがマーケットフィットした瞬間でした。そのため、組織を急激に大きくする必要がありました。70人~80人だった社員数を、一気に200人に増やすので、全方位的に人が不足していました。特にマネジメント層の決定的な不足が当時の課題でした。

山下:そうですね。開発の部長レイヤー、マネジメントレイヤーの緊急度が高いと伺っていました。同時に、僕は御社を見て、プロダクトに関する強固な実績、経験を持つ人がいたらいいのではないかとも考えていました。御社のカメラは、アプリケーションが無限に展開できるもので大変なポテンシャルがあります。一方でプロダクトとして捉えると、何か一つ、強烈なものをつくる必要があるのではないかと思ったからです。そして、「どなたかプロダクトに強い人を」と思っていたときに、白石さんに出会いました(執行役員 企画本部本部長 兼 CPOの白石久也氏)。抜群に素晴らしい方なので、真っ先にセーフィーさんのことを話し、ご縁がつながりました。

同じように古田さんとお話をするなかで、海外展開について、考えてはいるが具体化はしていないと知りました。海外経験の豊富なシニア層がいれば、その事業が立ち上がるのではないかと考え、お引き合わせして入社に至った方もいます。

いずれも僕たちの勝手な想像からスタートしています。でも僕らヒューマンキャピタリストの仕事は、人の無限の可能性を信じて事業をつくる、会社の大きな成長を実現する、社会をつくること。求人案件や顕在化している課題を超えて、佐渡島さんや古田さんの頭の中がどう動いているかと想像することが、非常に重要だと僕は思っています。

古田:ありがとうございます。どれだけ頭の中を見られているのかと(笑)。いずれも、経営陣が「いつかは」と思いつつ、まだ求人を出せる状況ではなかったところに提案していただきました。当社のことを我々社員以上に理解し、経営陣の考え方まで想像していただいているから、適切な方をいいタイミングでご紹介いただけているのだと思います。

部門長クラス6人、総勢約30人がフォースタ経由で入社

—— フォースタ内では、どのようにセーフィー様を応援する機運をつくっていきましたか。

山下:いかにファンを増やすかが僕の役目でした。クラウドカメラの先の世界というストーリーをいかにつくるか。決算資料、メディアなどでの佐渡島さんのインタビュー、ホームページにあるプレスリリースを読み込み、社内では勉強会なども実施して、社内で少しずつファンをつくっていきました。

また、候補者の方にも魅力を伝えなくてはいけません。特に、開発サイド向けにはカスタマイズも必要です。御社はIoTデバイスというハードもあれば、映像データもある。そしておそらく、データ量は国内でトップクラス。さらに、創業メンバー3名のうち2名がエンジニアご出身で、現取締役の方もお二人がエンジニア。開発組織の比重がとても高い上、エッジコンピューティングや画像認識など、技術的なフレーズもたくさんあります。これらでいかにストーリーをつくるか。御社と一緒に、壁打ちしながら考えていきました。

佐渡島:素晴らしいですね。今日、山下さんのお話を聞いて、そんなに考えて、いろいろな仮説に基づいて提案いただいていると知りました。その思いが嬉しいです。

ご紹介いただいた白石さんとは、いろいろな話をしています。そのなかで、お客様の課題を解決するために今やるべきことと、将来やるべきことをきちんと分け、将来につながる今の一歩を打ち立てようと言われました。今はもう一度、プロダクトとしての強さを取り戻さないといけないし、お客様の課題をもっと掘り下げて、ソリューションも提供しなくてはいけない。カメラを量でたくさん買ってもらうだけでなく、それ以上のものに引き上げる必要がある。そこは自分の知見があるから活かしてほしい――そう言って、自ら進んで課題解決に動いてくれています。感謝しかありません。

—— 取り組みが加速してから約1年半が経ちました。その間の変化を教えてください。

佐渡島:CxOクラスをはじめ、超エースに参画してもらっています。華やかなエースというよりは、お客様に深く入り込んで進めてくれる人など縁の下の力持ち。あるメンバーは、創業来いちばんの不具合があったとき、自ら飛び込んで問題を解決してくれました。ほかにも、プロダクトの部長候補、実直に営業してくれる人、官公庁向けのセールスチームを立ち上げてくれた人、VPoE候補の人など様々です。

創業メンバーの3人は、自分も下崎も森本も大企業にいたのですが、組織人としてはポンコツなので(笑)。そこを埋められるようなメンバー、会社の中核を担う次世代のリーダーがたくさん入ってくれています。

古田:部長または執行役員となる部門長クラスが6人、入ってくれましたCPO、プロダクトの部長、セキュリティーの責任者、エンジニアリングオフィスのトップ、公共事業部門のトップ、海外事業部門のトップ。新しく6つの事業部が立ち上がったような形です。まだ実際の部門としては立ち上がっていない部門もありますが、そのキー人材がそろいました。しかもそのうち半分が、求人ではなく、フォースタさんの提案で入社に至った人材。こちらの想像を越える世界に引っ張ってくれました。フォースタさんがいなかったら、セーフィーは今とは違う姿になっていたと思います。メンバーも含めると約30人、入社してくれています。

ビジョン「映像から未来をつくる」の実現へ。海外でも勝ちに行く

—— セーフィー様の展望と現在地を教えてください。

佐渡島:我々は「映像から未来をつくる」というビジョンを掲げており、それを実現するためのロードマップがあります。

我々が掲げるビジョン、「映像から未来をつくる」とは、1台のカメラから始まって、それをクラウド化し、SaaSのビジネスになり、つなげてプラットフォームになり、そこに、例えばNTTグループさんやセコムグループさんなど様々な人たちがサービスを提供することで社会に実装されていく。そんな姿を指しています。AI、IoT、デバイスなどの各社さんも次々に参入し、さらに多様なアプリケーションが生まれます。すると、例えばウェアラブルカメラ(Safie Pocket2)で、みんなが現場に行かなくても仕事が進むようになったり、店舗が無人化したり、あらゆるインダストリーで現場のDXが実現できます。

このようにしてできる世界を、僕らは「Video Data as a Service = VdaaS」と呼んでいます。例えば自動運転の車。壁の向こう側や左折した先などは、車についている「第1の眼」からは見えません。曲がった先に人がいるかもしれません。もし、デジタルで代替した「第3の眼」があれば、車は停止できます。つまり、「第3の眼」は一瞬先の未来を見ていて、それが意思決定の材料になるのです。このように、データは様々な役割を果たします。近い将来のロボティクスと人間が共存する世界において、そのようなインフラになりたいと思っています。その未来図を実現できるチームづくり、仲間づくりに取り組んでいるのが、我々の現在地です。

—— フォースタはどのように関わっていくのでしょうか。

▲フォースタートアップ株式会社 代表取締役社長志水 雄一郎

志水:フォースタートアップスという社名の通り、我々は挑戦し続けるスタートアップの皆様をご支援してきておりますが、比較的今まではプレIPOの企業様からご依頼をいただくことが多かったのです。ですが、セーフィー様は、IPOの前も後もずっと併走しています。今後もこのようにさまざまなフェーズをご一緒できるようにしていきたいと思っておりますが、セーフィー様と理想的な関係性になれた要因の一つは、双方の思いがかみ合ったことだと思います。

我々がきちんとお客様を理解し、応援する一方で、お客様側もフォースタの可能性を信じ、自分たちが伸びると思ってくれる。この二つがうまく組み合わさると、我々は200名にも満たない小さな会社ですが、コミットした瞬間に、非常に強固な関係性が生まれます。その関係性を、いかにしてつくるかがキーだと思っています。

セーフィー様の場合は、例えば佐渡島さんと一緒に登壇してお話するときなどに、すごく相性がいいと感じています。それは、セーフィー様が単体で事業を考えているわけではないから。オープンイノベーション、資本業務提携などの形で大企業と連携し、同時にスタートアップに対しても、今度はセーフィー様側が投資して事業モデルをつくっています。まさしくフォースタートアップスもそうで、自前でファンドを持ち、オープンイノベーションの事業も公共系の事業もあり、日本のスタートアップエコシステムをどう前に進めていくかと考えながら取り組んでいます。セーフィー様のお考え、つくりたい世界観と比較的近いからこそ、応援したいと思うのです。

スタートアップ支援は2022年、ようやく国策になりました。セーフィー様は、その中核となる1社。夢を実現し、これから育つ企業やチャレンジャーの皆さんに勇気と影響をもたらしてくれたら最高です。それは、必ずイニシアチブを取るという意思を持たないと実行できません。日本経済の一丁目一番地に行く。その意思をお持の方々だと思って、我々はセーフィー様を応援しています。

佐渡島:我々としても、海外で成功してこそだと思っています。それが目指す姿です。

株式市場に上場はしていますが、我々の認識では、自分たちはスタートアップ。実際、大企業に株式を持ってもらい、流動性が一気に上がらないスキームをとっているので、市場に流通している株式数はわずかなのです。となると、しっかりと実績を出し、責任を果たすことが必要で、今は勝負すべきタイミングを待っている状態です。そのタイミングとは、やはり世界で勝てるとき。そこに到達することは我々の責務であり、やりたいことでもあるので、仲間としてフォースタさんと共創できるならば、すごく嬉しいと思っています。

夢を語りあい、一体となって挑戦する仲間たちが新しい時代をつくる

▲セーフィー株式会社  取締役 経営管理本部本部長 兼 CFO古田 哲晴 氏

—— フォースタにはどのようなことを期待されますか。

古田:佐渡島の言うように、我々はまだまだスタートアップフェーズです。これからどんどん会社が大きくなるなかで、事業ラインも展開する国も増えていきます。となると、事業責任者クラスが必要で、起業家マインドあふれる人が集まって、それぞれが活躍する会社になっていくのだろうと思います。

シニア層においては、断トツでフォースタさんが推薦してくれています。今の路線のままに、「こんな方が入れば、セーフィーの事業は新たに盛り上がりますよ」と提案してもらえると、我々の事業の幅が広がるでしょう。妄想歓迎で、こちらのオーダーを越えてほしい。フォースタさんは、それができる相手だと思っています。

—— 他の会社さんとは、どのような点が違うのでしょうか。

佐渡島:やはり、スタートアップにかける思いを非常に強く感じますスタートアップを核にして世の中を変えていく、そのための人材を適材適所に入れていこうという価値観言動の節々に感じました。実際、フォースタさんのフィルタを通して来てくださる方は、とても目線が合う感じがします。また、すごくハイグレードなのに人として謙虚な方が来てくれています。

古田:フォースタさんは、チーム一丸となって「セーフィーの採用を成功させよう!」というスタンスを強く感じます。山下さんなどから巻き込まれたフォースタの他の担当の方たちが、チームで応援してくれている。だから、コミットしたときの爆発力を感じるんですよね。

—— 最後に、採用で大事にしていることを教えてください。

佐渡島:カルチャーフィットですね。夢を語って、ユニークな才能を持つ人たちが一体となって果敢に挑戦し、お客様の想像を超えたプロダクトを実現する。そこをさらに自分ごと化して三方よしの仕組みにする。こんなサイクルで、これまでもプロダクトが立ち上がってきました。さらに、これをチームメンバーに教えることでチャレンジが連鎖し、自分自身は次のチャレンジに向かいます。このカルチャーをとても大事にしています。好奇心があって、チームで一つの夢を追って仕事ができるような人たちが集まって、その人たちがつくる事業が新しい時代をつくっていくと信じています。

▲「Safie Diagram」。それぞれを個々人が「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価・データを基にした事業化)」「Action(仕組み化し改善)」に沿って実行し続けてゆくことが、同社のculture

山下:素敵な話です。我々も、スタートアップからSONYやTOYOTAのような日本を代表していくロールモデルとなる会社をいかにつくれるかが、僕らの世代や次の世代にとって非常に大事だと思っています。僕自身もどのようなロールモデルをつくれるか、これがスタートだと思って、一緒に伴走ストーリーをつくっていきたいです。これまでの取り組みや、僕の想像から生まれた提案は、あのタイミングだったからこそのもの。刻々と変わりゆくなかで、これからも勝手に想像して提案できればと思います。

佐渡島:ありがとうございます。期待しています。

Related Challengers